「雨水の利用の推進に関する基本方針(案)」に関するパブリックコメントを提出しました

こんにちは。村上です。

昨春に、国会で「水循環基本法」「雨水の利用の推進に関する法律」(以下「雨水利用推進法」)が成立しました。
(詳細は、下記ページをご参照下さい
 「水循環と雨水活用に関する法律ができました」(Webあまみず))

これを受け、現在、は「雨水の利用の推進に関する基本方針」を策定中です。
その方針策定の一環として、パブリックコメントの募集がありましたので、これまでの取り組みを通じて得られた知見を元に、意見を提出しました。

「雨水の利用の推進に関する基本方針(案)」に関するパブリックコメントを提出しました
(電子政府窓口HPの画面)

雨水の利用の推進に関する基本方針(案)」(電子政府窓口HPよりダウンロードしたもの)

パブリックコメントでは、下記4つの観点から、意見を述べました。

1.雨水活用(あまみずかつよう)の推進は、平時は身近な自然の恵みを大切に活かしつつ、非常時は自然の脅威に適切に対処できる、豊かな感性と能力を、国民が広く身につけていく上で、重要な取り組み

2.また、地域防災、地域緑化、地域での環境学習への活用を図ることを通じ、地域コミュニティ活動の活発化にも資する

3.雨水は、天然の軟水であるため、集雨、貯留、配水を適切に行うことで、界面活性剤を用いた洗濯・洗浄において、水道水よりも利便性を高めることができるとともに、界面活性剤の使用量を減らし、環境負荷を下げることに資する

4.さらに、地域の住民や地方公共団体が、小規模から取り組める公共施策であることから、国が先導して施策を進めるだけではなく、国民、NPO、研究機関、事業者、地方公共団体等の創意工夫を引き出し、自主的な取り組みを活性化していくという、新たな公共施策の展開が可能

詳しくは下記の全文をご覧ください。

法律によれば、国の方針が定まれば、は「雨水の利用の推進に関する方針」を定めることができ、県の方針が定まれば市町村は「雨水の利用の推進に関する計画」を定められる、とあります。

今後も引き続き、県ならびに市町におけるより効果的な方針、計画づくりに参画していきたいと思います。関心を同じくしてくださる皆様のご支援、ご協力を、よろしくおねがいいたします。



----- パブリックコメント全文(PDFはこちら) -----

国土交通省水管理・国土保全局水資源部水資源政策課
パブリックコメント担当 宛

雨水の利用の推進に関する基本方針(案)に係る意見


雨水活用(あまみずかつよう)の推進は、平時は身近な自然の恵みを大切に活かしつつ、非常時は自然の脅威に適切に対処できる、豊かな感性と能力を、国民が広く身につけていく上で、重要な取り組みだと考えています。

また、地域防災、地域緑化、地域での環境学習への活用を図ることを通じ、地域コミュニティ活動の活発化にも資するものと思います。

また、雨水は、天然の軟水であるため、集雨、貯留、配水を適切に行うことで、界面活性剤を用いた洗濯・洗浄において、水道水よりも利便性を高めることができるとともに、界面活性剤の使用量を減らし、環境負荷を下げることに資するものです。(詳細は文末の参考資料参照 ※1)

さらに、地域の住民や地方公共団体が、小規模から取り組める公共施策であることから、国が先導して施策を進めるだけではなく、国民、NPO、研究機関、事業者、地方公共団体等の創意工夫を引き出し、自主的な取り組みを活性化していくという、新たな公共施策の展開が可能です。

上記4点の観点から、下記該当箇所について、意見を述べます。

(該当箇所)
第1 雨水の利用の推進の意義に関する事項
「雨水の利用は、以下の5点に資することが期待できる。」の箇所について

(意  見)
掲げられた5点に加え
「雨水が軟水であることを活かした、洗濯や洗浄における利便性の向上、ならびに界面活性剤の使用量削減による環境負荷の低減」
を加えること


(該当箇所)
第2 1 雨水の利用の用途

(意  見)
「清掃用水、環境用水」等の列挙の中に「洗濯用水」を加えること


(該当箇所)
第3 1 (2)衛生的環境への配慮

(意  見)
「雨水の利用のための施設において処理された雨水の水質は、通常、飲用や清浄な水を必要とする用途には適さない。」との記述を
「飲用や清浄な水を必要とする用途に雨水を用いる場合は、高度なろ過・消毒施設の導入と適切な維持管理が必要となる。」との記述に改めること。
現状の記述では、「雨水は汚い」という、誤った印象を与えるため。


(該当箇所)
第4 1 (2)建築物を新たに建設する場合における雨水の利用のための施設の設置

(意  見)
「雨水の利用のための施設の設置が困難または不適当な建築物の考え方」の例として挙げられているうち下記の2点について

「小規模な建築物、集合住宅等でその構造や空間構成上、雨水の利用のための施
設の設置が困難な建築物」は削除すること。
小規模な建築物でも、環境啓発的な価値が高いものは有用であるし、集合住宅でも低コストでの設置可能な技術は存在するため。(※2)

また
「病院等で清浄な水を必要とするほか、利用者の健康面への配慮から、環境衛生
上、雨水の利用が不適当な建築物」は
「病院等で清浄な水を必要とするほか、利用者の健康面への配慮から、環境衛生
上、雨水の利用のために高度な処理が必要とされる建築物」と改めること。
第3 1 (2)での意見で述べたのと同様、現行の記述では、「雨水は汚い」との誤った印象を与える。不適当である理由は、雨水の水質そのものではなく、高度な利用のためにはコストがかかるという論点のほうが適切であると考えるため。


(該当箇所)
第4 2 地方公共団体等における雨水の利用の推進

(意  見)
「河川、防災、環境、教育等の部署横断の連携を地方公共団体が進めやすいように、雨水の利用の推進に関連する国の各省庁の施策の情報集約と提供を地方公共団体に対して行う」と追記する。
地方公共団体の施策の総合化を支援するため。


(該当箇所)
第4 3 (3)普及啓発

(意  見)
「(2)調査研究の推進及び技術者等の育成」と同様、「産・学・NPO等と連携し」の文言を、この箇所にも加えること。
普及啓発は国だけで行うよりも、さまざまな主体と協力しあって行う事によって効果が高まるため。


(該当箇所)
第5 1 雨水の利用の推進のための体制

(意  見)
現行の記述に加え、「また、産・学・NPO等との有機的な連携体制を整備する」との記述を加えること。
雨水の利用の促進は、行政だけでなく、国民、NPO、研究者、事業者も自主的に取り組んできた経緯と実績がある。これらの主体が蓄積してきた知見と人財を活かすことで、国と地方公共団体だけでは成し得ない、質の高い調査研究や普及啓発等が可能になるため。

<参考資料>
※1 雨水の軟水としての特性を活かした活用事例
「雨水って、こんなに使える!」
http://aoibiwako.shiga-saku.net/e1029629.html
※2 集合住宅での活用事例
「荻浦ガーデンサバーブ」
http://oginoura.com/environment
以上、意見として提出いたします。

(2015年2月19日提出)



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