雨水タンクのある暮らし(4) 心地いい庭のつくり方
【住まいづくりのススメ】
雨水タンクのある暮らし(4)
<PDF版/378KB>
→ダウンロードして読む
http://www.aoibiwako.org/catalog/flyer_b4_usui_2011winter.pdf
心地いい庭のつくり方~Tさんの庭を訪ねて~
一歩足を踏み入れただけで、「あ、心地いい」と思える庭、ありませんか?この夏に雨水タンクを新調された近江八幡市のTさんの庭もその一つです。飾らないけど彩り豊かで、親しみやすくあたたかい。どうすればそんな庭ができるのでしょう。Tさんを訪ね、庭づくりと雨水利用の実際をお伺いしました。
交ざり、つながる、暮らしの庭
Tさん宅を訪ねたのは11月末の肌寒い日。夏は緑でいっぱいだった花壇も土があらわになっていました。花を植え直す準備をされているのかと思ったら、「ニラとネギを植えたの」と小さな苗を指すTさん。あれ、ここは花壇のはずじゃ?と動揺した僕に「その隣には花の球根も植えてあるのよ」とTさん。あ、そうか、野菜と花、一緒に植えていいんですね。
裏口にまわると、卵の殻がネットに入って木の枝にぶら下がっていました。卵の殻を砕いて畑で苗の周りに撒くと、虫をよせつけない効果があるそうです。木の根元にはコーヒーかすも撒かれていて、これは畑の肥料になるそうです。近くに生えたハランの葉はお寿司の飾りに、そのそばの月桂樹は調理に使って…。
花と野菜が「交ざり」あった自然さと、台所と草木と土が深く「つながり」あった温かみが、Tさんの庭にはありました。
じょうろに汲んで、ゆっくり水やり
Tさんが雨水タンクを設置するのはこれが2回目。7年前に購入した樽製のタンクが痛んだことがきっかけでした。
今回設置したポリエチレン製の「ホームダム」は、蛇口のコックにホースをつなぐこともできます。でもTさんはじょうろに汲んで、ゆっくりと水やりをされているそうです。
きっと植物が大好きなTさんにとって、水やりは「作業」の時間ではなく、「お話」の時間なのでしょう。
「なんでこんなにいいもんが広がらないんやろうね」雨水タンクを眺めて、Tさんは首をかしげます。
子どものときの想い出と大震災の経験と
Tさんが土と親しむようになったきかっけは、子どものときの経験でした。
戦時中、家を焼かれ神戸から疎開した田舎で、お父さんは家族のために昼は働きに出て、朝晩は畑を耕していたそうです。子どもの中で一番よく手伝ったのがTさんでした。そのときにお父さんから受けた手ほどきと、手伝いの合間にこっそりと食べた苺の甘い味が、Tさんの原点となりました。
雨水利用をはじめたきっかけは、阪神大震災でした。
Tさんのお母さんがお住まいだったご実家は激震地域の東灘区。家屋の倒壊は免れたものの、震災直後から水道が通じなくなりました。給水車だけでは水が足りず、洗濯のために住吉川まで通ったというお母さんのお話を聞き、雨水を溜めることの大切さを思い知ったそうです。
Tさんとお話して感じたことは、ご自身の経験と感性、そしてご家族を大切にされている、ということでした。人の目を気にして格好をつけるのではなく、自分と家族にとっての「心地よさ」と「安心」を追求し、形にしていくことが、結果として訪れる人にも心地よい庭をつくることになるのかもしれない、と思いました。
はじめませんか?雨水タンクのある暮らし。
→(利用案内)雨水タンク・雨水利用システム
http://aoibiwako.shiga-saku.net/e566133.html
(2010年12月)
雨水タンクのある暮らし(4)
<PDF版/378KB>
→ダウンロードして読む
http://www.aoibiwako.org/catalog/flyer_b4_usui_2011winter.pdf
心地いい庭のつくり方~Tさんの庭を訪ねて~
一歩足を踏み入れただけで、「あ、心地いい」と思える庭、ありませんか?この夏に雨水タンクを新調された近江八幡市のTさんの庭もその一つです。飾らないけど彩り豊かで、親しみやすくあたたかい。どうすればそんな庭ができるのでしょう。Tさんを訪ね、庭づくりと雨水利用の実際をお伺いしました。
交ざり、つながる、暮らしの庭
Tさん宅を訪ねたのは11月末の肌寒い日。夏は緑でいっぱいだった花壇も土があらわになっていました。花を植え直す準備をされているのかと思ったら、「ニラとネギを植えたの」と小さな苗を指すTさん。あれ、ここは花壇のはずじゃ?と動揺した僕に「その隣には花の球根も植えてあるのよ」とTさん。あ、そうか、野菜と花、一緒に植えていいんですね。
裏口にまわると、卵の殻がネットに入って木の枝にぶら下がっていました。卵の殻を砕いて畑で苗の周りに撒くと、虫をよせつけない効果があるそうです。木の根元にはコーヒーかすも撒かれていて、これは畑の肥料になるそうです。近くに生えたハランの葉はお寿司の飾りに、そのそばの月桂樹は調理に使って…。
花と野菜が「交ざり」あった自然さと、台所と草木と土が深く「つながり」あった温かみが、Tさんの庭にはありました。
じょうろに汲んで、ゆっくり水やり
Tさんが雨水タンクを設置するのはこれが2回目。7年前に購入した樽製のタンクが痛んだことがきっかけでした。
今回設置したポリエチレン製の「ホームダム」は、蛇口のコックにホースをつなぐこともできます。でもTさんはじょうろに汲んで、ゆっくりと水やりをされているそうです。
きっと植物が大好きなTさんにとって、水やりは「作業」の時間ではなく、「お話」の時間なのでしょう。
「なんでこんなにいいもんが広がらないんやろうね」雨水タンクを眺めて、Tさんは首をかしげます。
子どものときの想い出と大震災の経験と
Tさんが土と親しむようになったきかっけは、子どものときの経験でした。
戦時中、家を焼かれ神戸から疎開した田舎で、お父さんは家族のために昼は働きに出て、朝晩は畑を耕していたそうです。子どもの中で一番よく手伝ったのがTさんでした。そのときにお父さんから受けた手ほどきと、手伝いの合間にこっそりと食べた苺の甘い味が、Tさんの原点となりました。
雨水利用をはじめたきっかけは、阪神大震災でした。
Tさんのお母さんがお住まいだったご実家は激震地域の東灘区。家屋の倒壊は免れたものの、震災直後から水道が通じなくなりました。給水車だけでは水が足りず、洗濯のために住吉川まで通ったというお母さんのお話を聞き、雨水を溜めることの大切さを思い知ったそうです。
Tさんとお話して感じたことは、ご自身の経験と感性、そしてご家族を大切にされている、ということでした。人の目を気にして格好をつけるのではなく、自分と家族にとっての「心地よさ」と「安心」を追求し、形にしていくことが、結果として訪れる人にも心地よい庭をつくることになるのかもしれない、と思いました。
はじめませんか?雨水タンクのある暮らし。
→(利用案内)雨水タンク・雨水利用システム
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(2010年12月)
2011年01月27日 Posted byaoibiwako at 21:15 │Comments(0) │★雨水タンクのある暮らし
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