現場で感じることが一番大切
子どもの未来を考える(連載記事)
<PDFファイル/B4版/208KB>
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http://www.aoibiwako.org/catalog/flyer_b4_doppo_2011spring.pdf
前回につづき、昨年9月にどっぽ村を訪ねた際のレポートを
お届けします。今回は、米もつくる大工の清水陽介さん(エコ
ワークス)のお話をご紹介します。ちょうど、アメリカのニュー
メキシコ州への視察から帰国されたばかりで、異国の地で感
じたことを踏まえ、どっぽ村の取り組みについて語っていただ
きました。
日本の素晴らしさ
アメリカに「エネルギー自給型の家がある」というので行って
きたけれど、結論から言うと、日本の素晴らしさを再認識して
帰ってきた。
日本はうっとおしいほど雨がふり、川が流れ、山には木や草が
たくさんあり、ふんだんな森の資源がある。家をつくる技術も非
常に緻密で、正倉院は一五○○年、普通の民家でも三○○年は
建っている。
外国に行くことで、日本の伝統的な技術の貴重さにあらためて
気づかされた。ただ、日本では、水にしても、森にしても、現在
の生活の中で重視されているかと言えば、そうではない。
技術だけでなく、田舎のおばあちゃんの知恵なども消えつつあ
る。どっぽ村では、そうした「伝承の場づくり」をしようとやってい
る。
田舎に仕事をつくる
工になった後、食べ物をつくりたいと思い、農業に転向しようとし
た時期もあった。ただ、実際、農業で生活をするのはなかなかた
いへん。
いま、田舎で暮らそうとしても、生活が成り立たない。あこがれで
やる人は多いけど、実際は成り立っていないことが多い。いろい
ろ考えてやってきて、どっぽ村にたどりついた。とにかく、「仕事を
つくろう」ということに一番重きを置いている。
未来はつくるもの
今は不安定な世の中。なにもかも不安定だからある意味チャン
ス。どっぽ村だって、僕と松本さんとで、村上君に手伝ってもらっ
てできてしまった。それでも、いろんな人が来てくれる。
どっぽ村では、当たり前のことを、当たり前にやっているだけ。こ
の地域では昔から、百姓は自分で家を建てたし、大工も田んぼく
らいしていた。なにも新しいことをしているわけではない。ただ違
うのは、それを(よそからの人を含め)若い人に「どうぞ」と開いた
やり方をしたこと。
「場」はつくる、多少の経験があるから時代を読む。でもやっぱり、
若い人らが自分たちで時代を読んで、未来はつくっていくものだと
思う。
エコとか言わなくてもできる
家の「設計図」は頭でつくれるけど、「現実の家」はからだを動か
して建てる。家の仕組みって、そんなに難しくない。家を建てる技
術だけなら3年で身に付く。
僕の家づくりは、土と木とガラスでつくる。エネルギーをなるべく使
わない未来志向の家を目指している。今の家の多くは、30年、
40年で、将来ゴミになる。処分に困るものばかりで、なんとかしな
くちゃならない。
大事なのは感性。感性があれば、エコとか言わなくてもできる。現
場で感じることが一番大切。
それと、普及させるためには、コストが非常に大事で、理想は、い
い材料で、山もよし、人もよしだけど、現実的にコスト面で響かない
と動かない。
自分で家を建てる
最近、「セルフビルド」という言葉を耳にするようになったが、実
際に、一○○%セルフビルドというのは現実的でないだろう。や
はり勤めながら時間をつくるというのはしんどい。
ある程度、プロがつくった後をおっかけてつくる(=セミ・セルフ
ビルド)ということを考えていて、実際に、最近、そのやり方でし
た仕事もある。結論から言えば「やってしまえば、できる」。
いま、不況もあって大工も仕事がない。腕はいいのに。そういう
人たちに、手間賃を払って教えてもらいながらやる方法ができ
ないか――自分で家を建てたい人のサポートをできる仕組みを
つくりたい。
全くの素人ばかりではできないけれど、ちょっとできる人がいれ
ばやれる。そうして完成形になったものを見てもらって、次やろ
うという人がでてきて、つながっていくのではないか。
選択肢の中に、「自分で家を建てる」ということを入れてほしい。
(構成・ねぎやま)
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