20数年前の琵琶湖の漁師と研究者のかっとう

aoibiwako

2011年12月10日 07:00

12/14水に行う勉強会のゲスト・石田紀郎さんの1988年の著
作より、一文をご紹介します。

20数年前の農薬をめぐる琵琶湖の調査にまつわる状況
と、放射能汚染をめぐる現在の状況と重なる部分が多いよう
に感じました。

もちろん、石田紀郎さんは、「放射能が農薬などの化学物質と
決定的に違うものである」ともおっしゃってもいます。

(数値は、20数年前のデータですのでご注意ください。)

  *  *  *



 私の友人に琵琶湖の漁師がいます。彼がとってくる琵琶湖
産の魚に含まれる農薬の分析を十数年つづけてきました。琵
琶湖周辺でつかわれる農薬の量は年間6,000トンにものぼ
ります。分解するもの、大気中に飛散するもの、土のなかに
残留するものなどをのぞいてほとんどが琵琶湖に流れ込みま
す。とうぜんのこととして、琵琶湖の水、土、魚に農薬は残留
します。とくに、魚の中に濃縮されて高い濃度で検出されます。
こんな調査結果を発表すると、魚の港価格は買いたたかれて
暴落します。それでいて魚の小売価格は安くはならないので
すから、調査をすることは、将来的には漁民の利益になると
信じているのですが、短期的には漁民を泣かせることだけに
なってしまうのです。とうぜん、私は漁師から恨まれる存在と
なりかねないので、魚の調査結果を公にすることをちゅうちょ
するようになります。この友人の漁師は漁師仲間と私との板
ばさみになって悩むことになります。どうしたらよいのかとよく
話し合いますが、これといった解決策がないままにいます。


(出典)
『ミカン山から省農薬だより』
著者:石田紀郎
発行:北斗出版/1988年12月15日

→本の紹介のページへ
http://aoibiwako.shiga-saku.net/e719080.html


(参考)
この文章の「友人の漁師」とは・・・
松岡正富(まつおか・まさとみ)さん
 漁師(旧湖北町尾上)
 北びわこ湖上タクシー研究会
(京都新聞/湖の声)
http://www.kyoto-np.co.jp/info/kyoikutokusyu/uminokoe/index.html
(DADA Journal/湖上という非日常)
http://dada-journal.net/culture/articles/167/
(琵琶湖市民研究所/姉川の志士たち)
http://www.shiminken.net/lab/anegawa/matuoka.html


  *  *  *


勉強会について詳しくは、以下から
http://aoibiwako.shiga-saku.net/e712417.html



  *  *  *


■碧いびわ湖の共同購入■

仲田さんと京大農薬ゼミの省農薬みかん
→ご注文をおまちしています~♪
 http://aoibiwako.shiga-saku.net/e682237.html




関連記事