ふるさと絵屏風と聞き書き
過日、滋賀県立大学の地域づくり教育研究センターの上田洋平さんが、事務所に訪ねてこられました。
「心象図法」という手法を開発され、県内各地で「ふるさと絵屏風」を20枚余り制作されています。
地域のお年寄りからの徹底した「聞き書き」を繰り返し、集まったデータ(「知識」ではなく、「身識」と呼ばれてます)をもとに一枚の絵図を作成されます。
今回は、できたばかりという「南比良ふるさと絵屏風」(のコピー)を見せてくださいました。
これが、なかなか、すごくイイ!ですよー。
個人的には、絵の中のお寺さんに組まれた木製のやぐらに紅白幕、輪をつくって踊る人びとの図柄が気になりました。(私の夢のひとつに、ノンエレクトロニクスな盆踊りの再現というのががありまして。電気を使わない昔ながらでエコな盆踊り。地声。松明あかり。薄暗がり。輪をなして踊り乱れる男女!?)
上田さん、碧いびわ湖の村上(代表)とは、県立大学の一期生同しらしく、いろんな情報や意見を交換されてました。
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ちなみに、村上さんから聞いたところ、上田洋平さんは、学生の頃から「耳の会」というのをつくって、徹底して地域にのこる「身識」を聞き書きしつづけてこられているそうです。
(有名な話しかもしれませんが)嘉田滋賀県知事も「聞き書き」をされてきた方です。(岩波ジュニア文庫の「生活環境主義で行こう」に詳しい)
また、昨年、上田さんがコーディネーターとして関わられた高島市の定住促進事業でゲストとして呼ばれた東京の環境=文化NGOナマケモノ倶楽部の辻信一さんも、聞き書きを得意とされてます。
近代化と都市化の流れのなかで見落とされてきた、地域(集落)に息づいていたであろう「身識」に目を向け、聞き出し、書き留めることが、注目されているようです。
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